彼は、「占星術殺人事件」という本でデビューしたのですが、これがすごかった。もうシナプス燃焼させすぎですみたいな。彼の中で一貫しているテーマが「本格推理小説」ということ。時刻表やアリバイを駆使するのではなく、大掛かりなトリックで、最後にあっと言わせてくれます。占星術から読み始めて、著作はほとんど読んでますが、トリックだけではなく、描写も巧緻なので、かなり楽しむことができます。ちなみに、うちの単行本は、黄色くなっています。手垢つきすぎ。
彼は、いくつかのキャラクターを持っているのですが、その中の御手洗シリーズというのは、古典的なホームズ・ワトソンタイプで、探偵の御手洗潔と、助手の石岡君が、難事件を解決していきます。このネジ式ザゼツキーも、そうなのですが、助手が石岡君ではなく、ハインリッヒというニューキャラクターになっています。ちなみに、そんなにインパクトのあるキャラではないので、次作で、彼の今後の存在が決まると思われます。
1冊の本から、その裏にあるものを紐解いていくということで、彼の得意な方式なのですが、今回もあっと言わせてくれました。そして、個人的には、ゴーレムとアメリカの風刺とかさいこー。
もし、まだ彼の本を読んだことがないのであれば、まず、占星術を呼んでください。そして、次に「異邦の騎士」。泣けますよ。
【関連する記事】